ブラカップの歴史
ブラカップの歴史
世界におけるブラカップの歴史
初期の起源
ブラカップの歴史は、古代文明(紀元前3500年~紀元前2000年)まで遡ることができます。古代ギリシャでは、「アポデスマ」や「マストデトン」と呼ばれる布製のバンドが、胸を支えるために使用されていました。中世には、「ステイ」やコルセットと呼ばれる衣服が使われていましたが、これらは主に胴体の形を整えることに重点を置いており、胸を個別に支えるという役割は持っていませんでした。
現代のブラの誕生
現代のブラが誕生したのは20世紀初頭(1901年~1918年)のことです。1914年、アメリカの女性、メアリー・フェルプス・ジェイコブが初めての近代的なブラを発明し、これが今のブラジャーの原型となりました。彼女のデザインは、当時のコルセットに代わる軽量で快適なサポートを提供するものでした。
ブラカップの進化
1930年代に入ると、ブラにカップが導入され、サイズに基づいたフィッティングが可能になりました。これにより、より多様な体型に対応することができ、女性のファッションの自由度が増しました。その後、1950年代にはワイヤー入りブラが登場し、さらにサポート力と形状保持が強化されました。
21世紀のブラカップ
21世紀(2001年~)に入ると、技術の進化に伴い、ブラカップもさらに進化を遂げました。新素材の導入や、形状記憶カップ、スポーツブラの普及など、用途や快適性に応じた多様なデザインが生まれました。最近では、サステナビリティ、環境や経済等に配慮した素材の使用や、ジェンダーレスのデザインも注目を集めています。
↑メアリー・フェルプス・ジェイコブ
日本におけるブラカップの歴史
伝統的な衣装と胸のサポート
日本では、古代から女性の胸を覆うための布が使われてきましたが、特に明治時代以前は、帯などを使って胴体全体を締めることが一般的でした。胸を支えるというよりは、全体を固定する役割を持っていたと言えます。
近代化とブラの導入
明治時代(1868年~1912年)以降、西洋文化の影響を受け、日本でも洋装が普及するようになりました。これに伴い、ブラジャーが日本に導入されましたが、当初は洋装に限定されたものでした。戦後の高度経済成長期に入り、洋装の普及と共にブラジャーも一般化し、カップ付きのブラが多くの女性に受け入れられるようになりました。
日本独自の進化
日本では、独自の美意識や体型に合わせたブラジャーの進化が見られます。例えば、1980年代以降、寄せて上げるスタイルのブラが流行し、日本の女性たちに広く愛用されました。また、日本の繊維産業の技術力を活かし、軽量でありながら高いサポート力を持つブラカップの開発が進みました。
現代のトレンド
最近では、日本でもスポーツブラやノンワイヤーブラが人気を集めています。また、肌に優しい素材や、サステナブルな製品の需要も高まっています。特に、日本独自の感性を取り入れたデザインが国内外で評価されています。
←ワコール創業者の塚本幸一は1949年に発売した“ブラパット”の使い勝手や、肌あたりを改善するために、“ブラパット”を入れる内袋のついたブラジャーを開発